住まいのバリアフリー/キッチン

元気に暮らす会相談員、矢作聡が住まいのバリアフリーのご提案をいたします。ぜひご一読ください。

美味しいものを楽しく食べる。
それは生きる上での喜びであり、心身の健康にも欠かせません。食物の食べ合わせや、良く噛むことが、病気やボケの予防になることも知られています。しかし、三度三度の調理や後片づけは、健常者でもしんどいものです。そこで今回は、楽で、安全なキッチンを考えます。

キッチンについての聞き取り調査で、まず出てくる問題点は、長時間の立ち仕事が辛いということです。次いで足もとの冷え、高い棚など物の出し入れが不自由、食器を食卓まで運ぶのが大変等の意見が聞かれます。また、問題意識は持たれてなくても注意したいのが火の元です。これらを踏まえ、基本的な対策を挙げてみましょう。

(1)流しや調理台の下に膝の入るスペースがあると、いすに座っての作業がしやすくなります。最近はこうした形のシステムキッチンもありますので、ショールームに行って実際に試してみるといいでしょう。いすとカウンターの高さを良く考えて選ばないと、逆に使いにくくなるので気をつけてください。座って作業するには、シンクも浅めの物にします。ただしシンクが浅いと水はねしやすいので、その場合は泡沫水栓(泡状にして出す)にします。

(2)足もとを暖めるには、カウンターの足もと部分に組み込まれた、温風暖房機がおすすめです。場所を取らず、つまずく心配もありません。あるいは、水に強いセラミックス等を床材にした床暖房にしても良いでしょう。

(3)高い棚の物が出し入れしにくい時は、手元まで引き下ろして使える昇降機能付きの収納棚が便利です。また、奥行きのあるカウンターの下は、スライド式の引出しや、キャスター付きワゴンをセットすると出し入れが楽です。床に段差がなければ、このワゴンは料理や食器を運ぶのにも使えます。

(4)ガス台は「ついうっかり」に対応してくれる安全機能付きの物や、手入れがしやすく、なべを持ち上げなくてもよいIHヒーターなど、安全性を重視して選びましょう。

(5)キッチンでは刃物や割れ物を扱うので、手元がしっかり明るいことも大切です。天井の照明に背を向けて作業する場合は、手元を照らす用の照明が必要です。また、ガス台の明かりや換気扇のスイッチは、レンジフードに付いているのが普通ですが、操作しやすい場所に変えてもらうこともできます。

(6)熱い汁の入ったなべを持って転んだりしたら、それこそ大変ですね。床にはなるべく物を置かないようにしましょう。また、部分的に敷いてあるキッチンマットもおすすめできません。もし敷く場合は、滑り止め加工済みのものを選ぶ、マットの端を両面テープで留めるなど、安全対策をしておきましょう。

(7)最後に、疲れないキッチンは家事動線が短いということも覚えておいてください。掃除や維持・管理がしやすいような配慮も必要です。そして、お年寄りや子供でも簡単に使える消火器を、必ず常備してください。

以上が基本的な考え方です。実際のプランニングに際しては、個々の身体能力、姿勢、手順、食器や調理器具の重さ、大きさ、利用頻度などを細かくチェックすると、さらに使い勝手の良いキッチンが出来上がります。

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